鼓室形成術
鼓室形成術は鼓室や乳突蜂巣に病変がある場合、耳小骨に異常、耳の中耳に何らかの原因で生じた問題を改善し、音の聞こえの機能を修復する手術です。
鼓室とは外耳、中耳、内耳の3つに分けられる中耳の部分です。中耳は鼓膜からカタツムの形をしている「蝸牛」の手前までの場所です。3つの小さな骨(耳小骨)を振動させて音を伝えます。
病気の種類により鼓室形成術も方法が色々あります。音の伝わりをどのような材料を使用して元のような聞こえにようにするかによって違ってきます。自分の耳小骨や軟骨を採取して形を整え使う方法。人口の耳小骨や特殊な人口耳小骨など、使用する材料は様々です。このように材料の分類だけでもまだまだあります。鼓膜は自分の筋肉の膜や結合組織を利用します。
「耳内法」「耳後法」があり、耳の中から手術する「耳内法」は耳の中だけに傷がつく場合と耳の前方に小さい傷が残る場合があります。「耳後法」は耳の後ろから施術をします。
鼓室形成術は大きく分けて5つの型があります。
Ⅰ型 鼓膜の再建を行う型
Ⅱ型 槌骨についている鼓膜を砧骨に直接接続する型
Ⅲ型 槌骨を除去したうえで、鼓膜を鐙骨に直接接続する又は鐙骨に支柱を追加し鼓膜を接続する型
Ⅳ型 鼓膜の鐙骨の底板に直接接続する又は鐙骨の底板に支柱を追加し鼓膜を接続する型
Ⅴ型 三半規管の一部に穴をあけ、鼓膜を接続する型
一般的にはⅠ、Ⅲ、Ⅳ型が多く用いられます。
多くの場合、慢性中耳炎に対して鼓室形成術は行われます。軽い場合は鼓膜に穴を開け中耳にある膿を出しますが重症の場合は耳小骨が壊れている場合が多く鼓室形成術を必要とします。
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