乳房温存手術について

乳房温存手術とは乳がん患者に用いられる手術法で、乳房全体を摘出しなくてもいいという理由から日本人患者の3分の2がこの乳房温存手術での治療を受けています。
乳房温存手術の長所としては切除部分が大きくがんが残るケースがあまりなく、手術の後遺症が小さくなり、リハビリのスケジュールも短期で済ますことができ、患者負担が全体的に軽度で済みます。

しかし、場合によっては手術後、乳房が変形してしまったり、腕にむくみを感じたり、班細胞が残っていた場合は再手術の可能性も出てきます。ただし、患者にとっては乳房温存手術を乳房の形をあまり変わらず、がん細胞を全て摘出できるといって認識の方も多いので、こういった説明は不可欠となります。

ところで、乳房温存手術を受けるには4つの条件をクリアしなければ行うことはできません。
それは、しこりが30mm以下であることと、画像診断での適応性を見極めること、放射能治療が可能である、多発病巣でないという条件があり、その条件を満たさなければ乳房温存手術は行うことができません。

乳房温存手術には主に3種類があり、乳房扇状部分切除術、乳房円状部分切除術、腫瘤切除術があります。
・乳房扇状部分切除術は乳頭から乳腺部分を扇上に切除する手術方法を指します。
・乳房円状部分切除術はがん細胞であるしこりの部分を中心に周りの正常乳腺を円状に切除する手術方法を指します。
・腫瘤切除術はしこりをすべて摘出しますが、再発するケースが多々ある為珍しい手術方法ではあります。

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