血行再建術

血行再建術には2種類あります。1つは、動脈硬化などで血管の内側が狭くなることで詰まったり、流れが悪くなったりした血柱内膜をとる血中内膜剥離術です。もう1つは、狭くなったり閉塞してしまったりした動脈に対して、バイパスを作る手術です。

閉塞性動脈硬化症は様々な場所に起こりうる症状ですが、特には下肢部分に起こることが多い症状です。大動脈や下肢の動脈に閉塞性動脈硬化がおこると、歩行時足に痛みが出たり、血流が詰まることで潰瘍や壊疽がでたり、症状によっては切断しなければならないこともあります。

血行再建術を行うことによって、このような症状を改善することが出来ます。また、心筋梗塞などが起こった場合、細胞が壊死し本来の機能を果たさなくなってしまうため、すぐに心臓の血液の流れを良くする必要が出てきます。このような手術は、ほぼひざの裏の太い血管からカテーテルを通して行います。だからこそ、とても高度な技術が術者には必要となります。

歴史をたどると、血行再建術は1948年に初めて成功し、その後様々な技術が発展したことによって、より高度な施術が出来るようになりました。本来ならば、冠動脈の血行再建術は人工心肺を使わず行われてきましたが、術中に心臓が動くことでミリ単位の作業が困難であることがネックになっており、最近では人工心肺を利用した血行再建術も増えてきました。もちろん長時間心臓を止めるのでリスクもありますが、心臓が動かないことでより細かい作業が可能になり、より高度な技術を施術できるようになってきています。

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