アブレーション治療(循環器系)
アブレーション治療は大腿部など、太い血管がある場所にカテーテルを挿入し、心臓にある不整脈の原因となる部分までカテーテルを到達させ、不整脈の原因となっている部分を電流で焼き切ることによって行う手術法です。アブレーション治療は主に「頻脈性不整脈」という心臓のリズム運動に異常が発生して脈拍数が増加し、動悸や意識が遠のくような症状が発生する病に対して行われます。
頻脈性不整脈は心臓の刺激伝導系に異常な電気信号を放つ箇所が発生したり、余分な伝達路が出来てしまう事が原因で起こります。そのため、アブレーション治療によってこれらの異常な箇所を物理的に焼ききってしまうことが病の完治につながります。アブレーション治療の手順は以下のようなものです。
まず、カテーテルを足の付け根部分にある大腿静脈または大腿動脈から挿入し、カテーテルの先端部をレントゲンで撮影しながら操作し、心臓まで到達させます。次に、カテーテルの先端部には心電図を計測するための機器がついており、心臓の様々な部分を計測し異常な電気信号を放つ部位や、余計な伝導路がどこにあるかどうかをこの心臓の異常な部分を探し、マッピングと呼ばれる作業で地図を作ります。
最後に、マッピングによって心臓の電気信号が異常となっている部分を見つけたら、カテーテルの先端から高周波の電流を流し、異常を起こしている部分を焼き切り、細胞を死滅させます。焼き切る時間はおよそ一分で焼き切る大きさは直径、深さともにおよそ5mm程度です。手術全体の作業は4~5時間ほどかかり、術後に一過性の血圧低下が起きる事があります。
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