大腸の内視鏡検査(消化器系)
大腸の内視鏡検査は東大の丹羽、弘前大学の松永、東北大学の山形によって機器が開発された手術法です。弘前大の田島が盲腸まで挿入する方法を開発し、さらに手術法の発展が進みました。内視鏡は肛門から挿入し、直腸から結腸、回腸末端にかけて診断、治療を行います。
検査前には自宅と病院両方で検査の準備が必要になります。
検査前日には、病院からもらう検査用のレトルトなどの食事を朝昼晩の三食食べ、夜には下剤を服用します。検査当日は水分の摂取を控えめにし、腸管洗浄剤を服用します。そして、排便が黄色で透明な液体になったときに検査を開始します。
大腸の内視鏡検査を行うとき患者は検査用の下着に着替えます。検査用の下着は紙製のもので、肛門部にスリットが開いており、患者の緊張感と羞恥心を和らげる目的があります。患者は検査のとき、医師に背中を向け、医師は内視鏡を肛門に挿入します。内視鏡を挿入しやすくするため、ゼリー状の物体が内視鏡には塗られます。従来型の内視鏡挿入法は大腸の屈曲部に内視鏡を押し込んで進めていました。そのため、屈曲部に力が加わり、患者が痛みを感じたり、腸の壁をやぶってしまうなどの事故の原因ともなっていました。
しかし、現在は大腸を引き寄せながら内視鏡を挿入し、腸管にループを作らないようにする内視鏡検査が行われています。この方法を用いることで患者の苦痛は少なく
腸管に穴を開けてしまうなどの手術中の事故も防げます。
大腸の内視鏡検査の時間は15分程度で終わり、病院によっては苦痛を和らげるための薬剤を患者に投与する病院もあります。
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