人工骨頭挿入術
人工骨頭挿入術とは、大腿骨頭壊死や大腿骨頚部骨折の不安定型と呼ばれるタイプの複雑骨折、高齢者の大腿骨骨折の等、骨接合術で整復・固定が困難な場合や早期荷重が必要な場合に、大腿骨の骨頭を取り出し人工骨頭(金属製人工物) に入れ替える手術療法の事です。
人工骨頭挿入術を受けることで、早期に歩行訓練を開始することが可能で入院期間も3週間から4週間ほどで退院する事が可能です。
高齢者が手術をしない場合、長期間の入院・安静が必要になるため、筋力の低下等により寝たきりになる事や、肺炎や認知症などの他の病気を併発してしまう事があります。それらを避けるために手術を受ける事で早期荷重や早期離床が可能になり、様々な合併症を防ぐだけでなく、患者自身のQOLの向上にも繋がります。
人工骨頭のように関節の片側を人工骨に部分置換した場合、置換後10年から20年の長期に及ぶと人工骨頭の緩み、破損する事があるので、異常を認めた場合は再置換の必要があります。
再置換術の場合、最初に手術を受けた時より高齢になっていますが、全身状態が良好な場合は高齢でも手術は可能であり、再置換術に回数制限はありません。
再置換術に回数制限はないとはいえ、回数を重ねていけば筋肉にダメージが出て、動作に制限が出てくる場合もあります。患者自身が脱臼の予防、感染症の予防、骨折の予防をすることで人工骨頭を長持ちさせる事も出来きます。
感染症を防ぐため手術した場所に傷を作らない、免疫力の低下を防ぐため食事に気をつけ、適度な運動で転倒しない筋力、日光浴等をする事で多数の方は問題なく過ごせています。
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