塞栓術
塞栓術とは、肝臓癌に対して行われることが多い治療法で、肝動脈塞栓術と呼ばれています。この塞栓術は、癌に栄養や酸素を送っている血液の流れを人工的に止め、癌を壊死させるという治療法で、動脈塞栓術や血管塞栓術などとも呼ばれています。
肝動脈塞栓療法は、日本で1980年代に始まった治療法で、治療効果で見てみると、肝切除術、ラジオ波治療に次いで3番目に位置付けされています。方法としては、足の付け根の内側から細い管(カテーテル)を大腿動脈へ挿入し、できるだけ病変付近までカテーテルを進めたところで血管を詰まらせることのできる物質を注入し、病変を治療する方法です。
血管を詰まらせることのできる物質として、油性造影剤などが使用されますが、そこへ抗がん剤を混ぜることによって、治療効果を上げることができます。
血管を詰まらせるということは、動脈血流を絶つということなので、正常な組織が心配になりますが、肝臓は肝動脈と門脈の2つの血管から栄養や血液の供給があるので、正常な組織は障害を受けにくくなり、癌細胞への栄養供給が遮断されることによって、癌細胞は死滅していき、抗がん剤の効果により、癌組織の死滅が促進されるのです。
肝動脈塞栓術の手術の程度としては、足の付け根の内側に小さな穴が開く程度で、体への負担や副作用は少なくて済みますが、肝動脈塞栓術のみでの癌の根絶は難しく、癌を小さくする為や、術後の再発防止の目的での治療法となります。また、原発性肝がんのみに有効な治療法であって、転移性肝がんにこの治療法は使用できません。
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