内視鏡下副鼻腔手術

内視鏡下副鼻腔手術とは1980年代に日本に紹介され、1990年代になると急速な普及を果たした内視鏡を使用した手術方法です。ESSと称される場合もあります。

従来の鼻根本手術は口内の歯茎の上部を切り開き、頬の内側の炎症をおこした部分を取り除く大がかりな手術でしたが、この内視鏡下副鼻腔手術では不要な病変を最小限におさえて切除するため患者さんへの負担もかなり緩和されました。そのため現在では最も一般的な手術方法となってきています。

具体的な手法としては鼻の中に内視鏡を挿入し、テレビモニターの画面を見ながら施術を行います。鼻の近くには眼や脳といった危険な部位もあるため、それらに傷をつけないよう最新のCCDカメラも用い安全を確認しています。
内視鏡下副鼻腔手術は副鼻腔が本来持っている換気の機能を回復させる目的があり、副鼻腔内の空気を通りやすくすることによって鼻の自力再生力を促します。そのため術後も投薬の治療が続くなど、かつての手術法と比べ完治までの期間は長くなりますが、術後の出血や痛みは少なく、頬のしびれなどの問題も軽減されています。

手術時間は片側30分程度ですが、両側になったり鼻中隔湾曲共生術を併用する場合であれば施術に応じて時間が延長されます。麻酔は基本的には局部麻酔で行い、入院期間も日帰り入院から10日ほど(症状により変動)ですむため従来の手術より短期間での退院が可能になりましたが、退院後1~2週間ほどは鼻腔内に汚れがたまりやすいため、こまめな清掃治療が必要です。また、手術後もポリープが再発しやすいため、定期的な受診が望まれます。

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