アドソンテスト

アドソンテストは胸郭出口症候群の判別のために用いられる検査方法です。胸郭出口症候群の中でも特に斜角筋症候群の判定を行うのに適しています。

アドソンテストの検査は
①姿勢良く座った状態で手首の脈拍を確認する。
②あごを挙げ、頭をしびれ等の症状のある側にできるだけ強く向ける。
③痛みのない範囲で上を向き、大きく息を吸い込んでから止める。
の手順で行います。

この時に脈拍が弱まったり停止した場合、手のしびれや冷感が強まった場合には陽性と診断することができます。最初のテストで陽性の反応が出なかったとしても、反対側からの検査で脈が弱まる時には陽性(擬陽性)と判断されることもありますので両側で検査を行った方が無難でしょう。

胸部出口症候群は筋肉が血管や神経の通り道を圧迫することが要因となり、肩凝り・腕や手のしびれ・手の血行不良など様々な症状を引き起こします。なで肩の女性に発症が多いとも言われており骨格によりおこる場合もありますが、これらの症状は猫背による肩の前方への巻き込み等の姿勢不良に起因している場合が多く、血管や神経の通り道を確保するための改善が必要とされています。

改善の方法としては重度な場合には手術を必要とする場合もありますが、比較的症状が軽度な場合が多いため身体を必要以上に冷やさないよう心がけたり、症状を軽減し改善へと導くための体操やストレッチを行うと効果的でしょう。
重量物を持ちあげるような運動や労働はできるだけ避け、移動時にもリュックサックは使用しないようにするなど、症状の悪化を防ぐ日常的な予防も重要となってきます。

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