ストリッピング手術
下肢静脈瘤は下肢の血液が血管に溜まることにより血管(静脈)が浮き出てきたり、こぶのように膨らんでしまう病気です。足がむくむ・こむら返りを起こすなどの症状もみられます。
良性疾患のため命にかかわるようなものではありませんが、自然治癒は望めないため長期間にわたって放置し病気が進行すると皮膚が潰瘍化したり、ばい菌が入って足が赤くはれやすくなったりします。
下肢動脈瘤の治療の方法としては症状の軽減を目的とした保存療法と根本的な改善を目的とした根治療法があります。根治的な治療法として古くから行われているのがストリッピング手術です。足の付け根部分と足首部分の2か所を切開し、静脈弁のこわれた血管にワイヤーを挿入し、ワイヤーと静脈を結び付けることにより静脈ごと引き抜いてしまう方法が一般的です。
症状や施設によって異なりますが、全身麻酔または下半身麻酔下で行われる場合には5~7日ほどの入院期間が必要とされています。静脈瘤の原因となっている部分が取り除かれるため再発率が低く下肢動脈瘤の主流の治療方法とされています。ただし、静脈を引き抜くという手法上周りにある知覚神経にダメージを与えることもあるため施術には細心の注意が必要とされます。
現在では麻酔薬の進歩により特別な局所麻酔薬を使用することにより日帰り手術も可能になりましたが、すべての医療機関が対応しているとは限らないため事前の確認が必要です。また、治療効果の維持や再発を防止する目的で弾性ストッキングやハイソックスなどを着用する場合もあり、根治療法であるストリッピング手術と保存療法との併用も進められています。
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