低侵襲手術

医学用語の侵襲とは病気や怪我、手術などの医療処置で生体を傷つけることを言います。医療行為を行う場合、大きな負担を伴う手術だけでなく、採血やレントゲン撮影、投薬などを行う場合にも生体を傷つけてしまいます。
しかし、これらの行為なくして治療することは不可能でもあります。

侵襲は医師法により、医師でなければ行うことができないと定められています。医療行為は人体に対する侵襲なのです。
侵襲の中でも最も大きな負担を伴う手術ですが、近年、より侵襲を軽減させる低侵襲手術が開発され、行われるようになっています。その低侵襲手術の一つに内視鏡外科手術があります。

以前なら、胆のうを切除するために、体の表面にはおよそ20cmの傷をつけなければなりませんでしたし、その後の腸閉塞に頭を悩ませたものでした。
しかしながら、内視鏡外科手術が行われるようになり、胆のう摘出による体の傷は内視鏡を入れるごくわずかな傷口で済み、その後の障害もほとんどなくなり、入院期間も短期間で済むようになりました。その他にも、大腸がんや肺がん、胃がん、腹部ヘルニアなどに低侵襲手術である内視鏡手術が普及し、患者への負担を大きく軽減するのに役立っています。

このような低侵襲治療は工学技術の進歩と医療への応用が必須です。工学技術の進歩により内視鏡画像が鮮明に映し出されるようになったり、医療用炉ボットで人間の手を超える繊細な手術を可能にできるよう日々研究が重ねられています。医学と工学を融合させ、最先端医療機器が開発されることは患者の負担を大きく軽減させていくために重要なことなのです。

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