弁置換術
弁置換術は、心臓弁膜症の外科的治療法の一つで、患者さんの悪くなった弁を取り除き、新しく人工弁と呼ばれるものを同じ位置に縫着し置き換える手術です。
手術は全身麻酔を用いて行う手術です。弁置換術は、開胸し、直接目で見ながら施術するため、人工心肺を用いて、一時的ではありますが心臓を止めて手術が行われます。
弁置換術に使われる人工弁には、大きく分けて機械弁と生体弁の2種類があります。
機械弁はチタンやカーボンといった丈夫な材料でできています。機械弁は、1960年に初めて機械弁が人体に使用されてから、さまざまなタイプの機械弁が開発されています。とくに機械弁は弁の劣化や破損が生じることはきわめて少なく、耐久性に優れており、再手術になることは少ないとされています。現在もいかに血栓をつきにくくするかという工夫がされ、開発が続けられていますが、弁の周りに血栓がついて弁の動きが悪くなってしまう場合などには、再手術を行わなければなりません。
生体弁はブタや牛から採取された生物由来のものでできています。患者さんの症状や年齢、術後の生活の質を考えたうえで、医師とよく相談して適切な弁を選択することが大切です。弁置換術を受けた場合は、生体弁、機械弁に関わらず、将来的に再手術が必要になることがあります。生体弁は、抗血栓性に関しては機械弁より優れていますが、年月とともに弁に劣化や石灰化という変化が生じるため、耐久性に関しては唯一の短所と考えられ、将来的に再手術を行う可能性が高いと言われています。
いずれの人工弁も、血液中に侵入した細菌が人工弁について、再手術が必要になることもあります。
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