子宮頸部細胞診について

子宮頚部細胞診のことを一般的に子宮がん検診と称する場合が多いようで、会社の健康診断や一斉に行われる子宮がん検査の多くは、この子宮頚部細胞診のことです。

検査方法は、子宮の頚部の粘膜から細胞を摂取して観察する検査で、綿のついた細い棒状の検査器具を使って子宮頚部から細胞をこすり取り、ガラス板に塗布して、パパニコロウ染色と呼ばれる専用の染色を行って顕微鏡で観察し、正常なものと比較して診断を行い、膣がんや子宮がんの発見に役立てます。検査自体、痛みはほとんどなく数秒で終わりますが、検査してから結果がでるまで通常は1週間ほどかかります。

検査結果の評価は1~5までの5段階に分けられ、がん細胞は正常細胞とは異なる形をしているので、体内に病変が見つかった場合、その細胞が悪性か良性かを見分け、かなり正確にがんの危険性を見ることができます。
しかし、子宮頚部異型上皮は必ずしも子宮頚がんになるわけではありません。疑いがある場合は、子宮頚部細胞診より詳しい検査である子宮頚部組織診とコルポ診を受けて判断します。

現在、日本の子宮がん検診受診率は、25%程度と先進国の中でも最低と言われており、20歳代の女性の子宮頚がんの罹患率の上昇に結びついています。子宮頚部細胞診により、何らかの異常があることを発見できる確率は90%ほどで、子宮頚がん検診の診断にとても有効です。

このように子宮頸部細胞診は、早期診断の目的で広く行われており、最も予後の改善に寄与したがん検診の一つですから、予防医療の一環としてわが国でも、早期発見の大切さと検診を普及させていくことが重要でしょう。

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