血管造影検査

血液造影検査は、股関節付近の大腿動脈・静脈、または腕の動脈・静脈に長さ50センチから1メートルのカテーテルを挿入した後、カテーテルから造影剤を注入しX線撮影することで、血管や心臓などの状態を診断するための検査です。

血管に挿入したカテーテルから造影剤を注入してX線撮影すると、造影剤の流れが観察でき、動脈や静脈の状態を知ることができます。検査の際は、カテーテルを直接、動脈や静脈に挿入するため、検査室内には非常に高度な清潔度が求められます。また、血液造影検査後は、カテーテルを挿入した部分からの再出血を防ぐため、大腿動脈からカテーテルを挿入した場合は5~8時間、大腿静脈から挿入した場合でも2~3時間程度の安静時間が必要とされ、造影剤を使用することによるアレルギー症状や急激な血圧低下、血管損傷などの副作用が出ることがあります。

しかし、最近では、検査後の安静時間が30分程度で済むデジタル・サブトラクション・アンギオ(DSA)装置を使用した検査方法が開発され、従来は入院時に行っていた検査が外来でも可能となり、より簡便になっています。血液造影検査には、脳血管造影検査、心・大血管・肺動脈血管造影検査、冠動脈動脈造影検査、腹腔動脈・上腸間膜動脈造影検査などがあり、それぞれ、脳や心臓、肝臓などの状態を観察する場合に用いられ、時には患部につながる動脈に薬を直接注入するなど、治療にも使われることがあります。

また、この検査は、カテーテルを挿入する部分に局所麻酔を施すだけで行うことができるため、麻酔注射を刺した時の痛み以外、痛みはほとんどありません。

手技小辞典 」の他の記事を読む

循環器科でわかる心臓マッサージ
心臓発作で突然倒れてしまった人を助けるとき、人工呼吸と心臓マッサージを繰り返すことが良いといわれていましたが、ここ最近では循環器科での心臓マッサージだけでも十分な処置ができることがわかってきました。心...すべて読む
喉頭ファイバーについて
喉頭ファイバーとは、喉頭がんの有無などを調べるための検査方法です。喉頭がんとは、舌の付け根から気管の入り口までの部分に発症するがんであり、呼吸や食物等の飲み込みに障害をきたしてしまうものです。喉頭ファ...すべて読む
マクマレーテストについて
マクマレーテストとは、筋骨格系において機能障害をきたしている部位やその症状を、特に専門的な医療器具を使用せずに手で行う検査のひとつで、主に半月板損傷または断裂のチェックを行うものです。 検査方法として...すべて読む

80記事の「 手技小辞典 」の記事を読む

コラム内から検索

外来アルバイト医師求人特集

EPILOGI検索
pagetop