膀胱鏡検査
膀胱鏡検査は、膀胱がん、膀胱結石、膀胱炎、尿道狭窄等を診断するために行う内視鏡検査です。膀胱鏡検査の歴史は大変古く、紀元前4世紀の古代ギリシャ時代に行われていた痔の治療は近代では、1805年にドイツ人の医師・ボッチニにより現在の内視鏡の仕組みに近いランプの光で体内を観察する「導光器」が作られたのが、現在の内視鏡の始まりです。その後、1853年にフランス人の医師・デソルモが作った観察器具に、初めて「エンドスコープ=内視鏡」という名前が付けられました。
その後、最先端技術により、内視鏡の先端部にはCCDが搭載されるようになり、近年では画像がハイビジョンになるなど、膀胱鏡検査機器は今も進化し続けています。検査は、局所麻酔または仙骨硬膜外麻酔のいずれかを行った後、脚を開いた状態で、直径6ミリ、長さ300ミリほどの内視鏡を尿道口から挿入し、観察します。
膀胱鏡検査は一般的に、男性は尿道が長く曲がっているため苦痛を伴うことが多く、女性は尿道が短く真っ直ぐであるため、ほとんど苦痛がないという特徴があります。また、検査に使用する内視鏡には硬性鏡と軟性鏡の2種類があり、硬性鏡は太くて硬く患者にとっては苦痛を伴いますが、視野が広く観察しやすいという利点があります。反対に、軟性鏡は細くて柔らかく患者にとっては苦痛も少ないですが、視野が狭いというマイナス面があります。
膀胱鏡検査にかかる時間は約330分程度で、入院する必要はなく、通院で行うことができますが、膀胱鏡検査を行った後、発熱、感染症、尿道損傷などを伴う場合があるので注意が必要です。
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