アレンテスト

アレンテストは、麻酔時、動脈の穿刺を行う際に、腕の動脈が閉塞していないかを調べるためのテストです。

麻酔をかける際、腕の親指側にある橈骨動脈または小指側にある尺骨動脈に動脈ラインを入れますが、どうしても動脈ラインを入れた動脈の血流は悪くなります。その間、指尖部への一定の血流を保つためには、動脈ラインを入れていない方の動脈が閉塞してないことが絶対条件となります。

もし、橈骨動脈、尺骨動脈のどちらか一方が閉塞していたら、麻酔をかけた時に指尖部への血流が保てず、指尖部が壊死してしまうため、アレンテストは大変重要なテストといえます。アレンテストは大変重要なテストといえますが、その方法は意外と簡単です。

まず、患者に患者自身の手を強く握らせ、橈骨動脈と尺骨動脈を圧迫します。次に、両動脈を圧迫したまま、患者に握った手を開かせます。手を開かせたら、まずは橈骨動脈への圧迫を解き、手のひらの蒼白状態から赤味が戻るまでの時間を計測します。同じように、尺骨動脈についても蒼白状態から赤味が戻るまでの時間を計測します。どちらの動脈も蒼白から赤味が戻るまでの時間が5秒以内なら問題ありません。

しかし、どちらか一方でも10秒以上かかる場合は「アレンテスト陽性」で動脈の閉塞が考えられるため、動脈の穿刺はすべきではありません。

患者が身体のまひなどで手を握ることができない場合には、患者の上腕を90度外転し、さらに肘関節を90度屈曲させて脈を取ります。そして、そのまま頭部をまひしていない側に強く回します。その時に脈拍が弱くなった場合には動脈が閉塞していると考えられ、陽性となります。

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