SLRテスト‐別名:下肢伸展挙上テスト

SLRテストは、坐骨神経痛か股関節痛かを決断するために行われる方法です。

腰の痛みに関係する病気はとてもたくさんあるため、病気を特定することが困難な場合がある事があります。特に、股関節痛は坐骨神経痛と似た症状を起こす病気として挙げられています。このSLRテストが陽性の結果であれば、坐骨神経痛で陰性の結果であれば股関節痛と判断されています。

このテストの方法は、痛みのある方に上向きに寝てもらいます。ヒザを伸ばして脚を少しずつ挙げていく方法です。このテストは椎間板ヘルニアのみだけでなく坐骨神経痛の全てに効果があるテストです。椎間板ヘルニアの場合は、SLRテストを実施すると陽性の確率は非常に高く、その陽性の確率は90%~97%といわれています。

何故ならば、この動きをする事によって腰椎5番と仙骨1番付近の神経根が2~6mm動きます。その為、椎間板や髄核による神経根の圧迫があり痛みを生み起こしてしまうのです。普通は脚の上げた角度が30度~40度達したくらいで臀部やハムストリングス、ふくらはなどの下肢背面にピリピリとした強力な痛みが起こります。

椎間板ヘルニアが酷い人は脚をたったの10cm挙げただけで強力な痛みが引き起こされた実例もありました。この行為はアキレス腱を伸ばす動きである足の関節の背屈にとても敏感です。
しかし、この方法は椎間板ヘルニアにとても有効な方法であり、ハムストリングス症候群には効果のない方法と言われています。ハムストリングス症候群は坐骨神経痛のラインと似ていてシビレ感も坐骨神経痛と同様に伴うのでとても間違えやすいと言われています。

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