直腸診
直腸診とは、直腸を診断する方法で、直腸内診断、直腸指診とも言います。原始的な方法ではありますが比較的簡単でがんなどの診断にも役に立つ診断方法といえます。直腸がん、直腸ポリープ、前立腺肥大、もちろん痔にも有効な方法です。
診断方法は極めて簡単で、肛門に指を挿入して指診するわけです。
指に潤滑ゼリーを付えて肛門に指を挿入します、患者さんから見れば緊張をする場面になります、緊張をすると肛門に力が入り患者さんが痛みを感じる場合が多くなります。そのために患者さんに息を吐くように伝えるといいでしょう。
肛門の奥、手前、出口付近と順番に指診していきます。腫瘍、ポリープがないかはもちろん肛門のしまりや狭くなっていないかどうかを診察します。指に硬いものやふくらみを感じたら大腸癌、大腸ポリープが疑われます。硬くなっていたり凹凸を感じたら、前立腺肥大、前立腺がんが疑われます。診察は1から2分くらいで済みます、
このように直腸診は医師の指による指診で癌などの腫瘍やポリープを発見して、治療にあたる最初に行う大事な診察方法です。
患者さんに痔などの病気があれば肛門に指を入れるのは痛みや出血が伴うので無理に直腸診をするのは勧めることはできません。痔があって、出血が痔に起因するのでは問題がありませんが、痔の部分からではなく奥の方からの出血なら注意が必要になるため、その点はしっかり問診などで判断してください。
異常があれば内視鏡検査や組織検査をして適切な治療が出来るよう方針を決めましょう。直腸診は簡単な方法ではありますが、診断をするには有効です。
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