腹腔鏡下胆嚢摘出術
胆嚢結石、胆嚢炎や胆嚢ポリープは腹腔鏡下胆嚢摘出術の対象疾患となります。
胆嚢結石の手術である胆嚢摘出手術には、開腹による手術と腹腔鏡を用いた手術がありますが、近年、胆嚢結石、胆嚢炎など多くの場合の胆嚢摘出術に対して、腹腔鏡下胆嚢摘出術が標準治療とされ、腹腔鏡下手術の代表と言える術式とされています。我が国では1990年から腹腔鏡下手術が行われるようになりました。
腹腔鏡下胆嚢摘出術は、おへその下の皮膚を約1.5㎝切り、そこから腹腔鏡という細長いカメラを入れ、お腹の中の様子をテレビモニターで見ながら、細長い鉗子という器具を使って胆嚢をとりだす手術です。
胆嚢結石による痛みの発作は1回生じると何度も繰り返すことが多いため、胆嚢結石によって痛みの症状がでた場合は、早めの治療、手術がおすすめです。また、胆嚢結石により急性胆嚢炎を発症してしまった場合は、4日以内に手術を行うのが良いと言われています。
開腹手術と比べて技術的には難易度が高くなりますが、傷は小さいため、おへそに隠れてしまい術後一ヶ月ほどでほとんどわからなくなります。また、痛みが少なく、早期退院が可能といった利点があり、美的に優れるだけでなく、身体にやさしい胆石手術であるといえます。癒着のひどい場合や、胆嚢の炎症、萎縮や肥厚などが強い場合にはおこなえないことがありますが、一度胆嚢結石ができた胆嚢は結石ができやすい環境になっているため、胆嚢結石の治療法として、胆嚢結石ができる場所をなくしてしまうという意味で、腹腔鏡下胆嚢摘出術は根本的な治療であるといえます。
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