前立腺生検について
前立腺は、膀胱から尿の出口を取り囲むように存在する男性生殖器の一つです。その為、前立腺に発症するがんである前立腺がんは、男性だけにしかかからないもので、中でも50歳以上の熟年男性に発症する確率が高くなっています。
前立腺がんは、米国では男性のがんによる死亡の第2位を占めています。日本でも死亡率は4%ほどですが、近年増加傾向にあります。
前立腺生検は、その前立腺がんの診断を確定するための唯一の方法で、最も重要なものとされています。前立腺生検は、PSA検査、直腸診、超音波検査などの結果、前立腺がんが疑われる時に行われます。
その検査方法は、局所麻酔をして前立腺に針を刺し、超音波を見ながら疑わしい組織を取り、がんの有無を顕微鏡で調べるという病理組織検査です。前立腺がんが主に発症する左右の辺縁領域から少なくとも6か所以上採取するのが一般的ですが、最近では、がんの検出率を高めるため、多数箇所から組織を採取する多部位生検を行う傾向にあります。費用は1万円~3万円程度で、検査時間は30分~1時間くらいですが、その後止血する数時間は安静にする必要があります。
前立腺生検は比較的安全な検査ですが、合併症として出血、急性前立腺炎が起きることがわずか数%ですがありますので、前立腺生検の検査は、一泊入院して行われています。この前立腺生検を行うことで、前立腺がんの有無のみならず、前立腺がんの悪性度や進行度が分かり、精度の高い情報を得ることができます。前立腺がんの治療は前立腺生検の情報に基づいて決定される為、大変重要な検査方法なのです。
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