不整脈患者においての心臓ペースメーカー
心臓ペースメーカーとは、心拍数、脈拍数などが通常の速さよりも遅くなってしまう不整脈に対して利用されており、ペースメーカーにより心筋に刺激を与え、必要な収縮を発生させる治療に使用される、言わば、人工的に電気を流す装置であり、心臓が正常な速度で動けるようにサポートする役割を果たしています。
心臓ペースメーカーは、「ペーサー」または「パルスジェネレータ」と呼ばれる電気パルスの生成装置である本体と、生成した電気パルスを心筋に伝達するためのリード、または電極と呼ばれる導線から構成されています。
ペースメーカー本体は500円玉2枚より少し大きめで、重さは20~30gです。もともとペースメーカーは、体の外に取りつける体外式が使われていましたが、1960年代には皮膚の下に埋め込む植込み式が開発されました。
ペースメーカーの植込み手術は簡単で、通常7~10日の入院で行われます。手術時間も1~2時間程度で済み、局所麻酔をした後、胸の上のほうの皮膚を少し切開して、皮膚の下に電池を入れます。ペースメーカーの電池の寿命は7~8年ですから、そのたびに電池を入れ替える手術が必要になります。
一般的に植え込んだリード線が確実に安定するのは、リードの種類やリードの位置などによって様々です。手術後1~3カ月経過し、順調に体調が回復すれば、同年代の方がしているほとんどのスポーツをすることができます。また、入浴が直接ペースメーカーに影響を及ぼすことはありませんが、入浴時間は短めがよいでしょう。心臓ペースメーカーを植え込んだ人は普通の人とかわらない生活を送れるようになり、その性能も、最近はたいへん向上しています。
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