腰椎椎間板ヘルニアの治療におけるMED・内視鏡下椎間板摘出術
腰椎椎間板ヘルニアの治療は、薬を服用するといった保存治療が多いですが、手術を必要とする場合もあります。
最近は、一刻も早い復帰への希望から、手術を必要とする患者さんは、MED(MicroEndoscopic Discectomy)を選ばれる方が多いようです。
MEDとは、腰椎椎間板ヘルニアの内視鏡手術のことを意味します。内視鏡下椎間板摘出術とも言います。X線透視装置を使用してモニター画面を見ながらの手術です。この手法では筋肉を切ることなく患部にたどりつくころができます。この手術が開発されたのはアメリカで、初めのころの手術時間は50分ほどかかりましたが、現在では医師の技術も高まってきたため、平均して20分から30分程度で終える事ができます。医師の高い技術が必要となります。部位が2か所以上に及ぶ場合は、より難しい手術となります。
しかし、傷口は2cmほどで、出血はほとんどみられません。多くの場合、抜糸の必要もありません。術後の痛みも少なく傷跡も目立ちません。多くの病院では手術日の翌日からは自分自身で起き上がり、リハビリを行います。とくに腹筋や背筋を鍛えるトレーニングを中心に行い、こういった場合には専門のリハビリ担当のスタッフによって充実した運動を行います。ですから、とても回復が早く、入院をしても退院も早いです。
ただし、退院したからといって術前のようにすぐに仕事などに復帰することは、難しい場合があります。ヘルニアは再発することが多くあるためです。医者の判断にもよりますが、3か月ぐらいは仕事の量をセーブし、外来での通院で様子をみながらの仕事復帰となります。
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