MIS/最小侵襲手術

MIS, Minimally Invasive Solutions (最小侵襲手術)は、切開する部分(皮膚のみでなく筋肉も)を最大限小さくして行う手術のことです。
例えば、従来の人口股関節手術の場合は、150mm~200mmほど患部を切って手術を行っていましたが、MISによる手術の場合は、80mm~100mm程度切開することですみます。

これによって、手術後に患者が感じる痛みを軽減することができ、リハビリも早くから開始することが可能となって、退院の時期や社会復帰を早めることができます。具体的には手術後1週間ほどで、リハビリを開始し早ければ2週間程度で退院ができます。

リハビリを早くから開始できるということは、患者がベッドの中で長い間過ごし不安になったりすることもなく、またその間にさらに筋肉が衰えてしまうこともありません。普段仕事がある人や、あまり長い間家を留守にできない人には、この治療は大変効果的な治療法といえます。(通常の手術では、手術後傷の回復のために4〜6週間の入院が必要でした。)

また、高齢者が手術をする場合は切開部分を小さくすることにより、手術による負担を減らすことができます。これは回復に時間のかかる高齢者にとって大きなメリットになります。しかも、切開部分が小さいということは合併症を発生するリスクを下げることもできます。

しかし、もちろんすべてのケースにおいてMISがよいという訳ではありません。視野が狭くなるMISよりも通常の手術のように大きめに切開して行う方がよい場合もあります。また、患者さんの体系や骨の状態、また健康状態などによってもMISの手術が望ましくない場合もあります。
きちんとした医師に相談し、治療方法を決めるようにしましょう。

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