カテーテルアブレーション/心筋焼灼術

不整脈の治療には、カテーテルアブレーションという治療法を用います。これは、カテーテルという先端が電極になっている直径0.2cmほどの細い管を、足の付け根や首などの太い血管から挿入し、心臓の内側まで進めます。
そして、心臓の内側からより詳しい心電図を記録し不整脈の原因を調べます。

さらにカテーテルを不整脈の発生している部分に押し当て、高周波電流を流してカテーテルの先端を60度くらいまで上昇させ、不整脈の原因となっている部分を焼き切ることで治療をします。1度の通電は30秒から60秒くらいで、大体0.5cm程度の患部を焼き切ることができます。もし、より広い範囲の治療が必要な場合は、より多くの通電が必要になります。手術の成功率や、危険性、所要時間は不整脈の種類によって異なり、また心臓の大きさや形にも個人差があるためそれによっても変わってきます。平均的な治療時間は1時間から2時間程度です。

しかし、そのなかでWPW症候群や房室結節回帰性頻拍、心房頻拍とよばれる不整脈ではカテーテルアブレーションの成功率は高く、合併症も比較的おこることなく手術をすることが可能となっております。手術の後は、数時間安静にしたあと歩けるようになります。入院は大体2日〜4日を必要としますが、退院後特に運動や食事を制限する必要はありません。

先程も述べましたが、不整脈には様々な種類がありすべての不整脈がこのカテーテルアブレーションで治療できる訳ではありません。専門の医師がきちんとした診断をしたうえで、適切な治療方法を検討する必要があります。

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