【働き方改革の影響】専攻医が知っておくべき「C-1水準」とは?実はアルバイトで対策が可能!
2年間の臨床研修を終え、自らが選択した診療科へと一歩を踏み出す専攻医ですが、2024年から施行された「医師の働き方改革」により、労働時間の上限に注意する必要があります。特に研修医と専攻医は、「C-1水準」とよばれる時間外労働の水準が適用され、その範囲内で働かなければなりません。本記事では、今後アルバイトを始めてみたい先生や、ワークライフバランスを重視している先生に向けて、おすすめの対策を解説・紹介します。※C-1水準(集中的技能向上水準)とは、臨床研修・専攻医を対象とした「月100時間未満/年1,860時間以下」の時間外労働が認められる特例水準のこと。
1.専攻医を取り巻く環境
専攻医とは、どのような定義がされているのでしょうか?
専攻医とは、2年間の医師臨床研修(初期研修)を修了し、日本専門医機構の定める専門研修プログラムに参加する医師のことを指します。専攻医は本格的に患者を診療できるようになることに加え、論文の執筆や学会発表の準備なども必要で、研修医のころに比べて業務負担が増えがちです。
さらに急患対応も本格的に行うようになり、長時間労働を強いられることもあります。専攻医を取り巻く環境には改善が必要です。
専攻医の労働時間の実態
実際のデータでは、専攻医はどのくらい働いているのでしょうか。
週60時間以上働く20代は男女ともに40%以上
下のグラフは、週当たり勤務時間が60時間以上の医師(病院・常勤勤務)の割合を、世代別・男女別に示しています。20代から30代の若い世代で男女ともに40%を超えており、最も多い30代男性だと5割強の医師が週60時間以上働いていることがわかります。
専攻医は26歳~30代前半の方が多く占めており、グラフでいうと、週当たりの労働時間が多くなっているゾーンに当てはまります。
週あたり勤務時間が60時間以上の病院・常勤勤務医の割合
外科医は特に忙しい
次に、科目別で週当たりの勤務時間が60時間以上の医師の割合をみていくと、上位3つは「脳神経外科(53.0%)」「外科(50.9%)」「救急科(49.5%)」となっており、いずれも約半数の医師が週60時間以上勤務していることがわかります。
4番目には「整形外科(46.2%)」が位置していることから、外科系は特に忙しい科目であることを示しています
科目別 労働時間60時間(週)以上の病院・常勤勤務医の割合
専攻医が忙しい理由
研修医から大きく変わる点のひとつに、専攻医は主治医として患者を担当できることが挙げられます。
さらに、指導医なしでも診療行為が可能です。裁量権が増えますがその分責任も重くなります。論文の執筆や学会の準備に加え、多くの仕事を一任されることが、専攻医が忙しい理由となっているのです。
一般的に専攻医が担当する業務の例をご紹介します。
- 医療機関での専門研修
- カンファレンスの参加
- 学会発表の準備
- 論文の執筆
- 症例について予習と復習
- 救急外来での当直業務
- ローテート中の研修医の指導
中でも「救急外来での当直業務」、特に「宿直業務」は、救急対応等が発生した場合に、休憩時間であっても対応しなければならず、労働時間が長くなってしまいます。
病院・常勤勤務医の1か月あたりの宿直回数の割合をみると、0回(43%)、1~4回(43%)、5~8回(12%)となっています。また、宿直回数と待機時間は比例して増加しており、宿直回数が多ければ多いほど総労働時間が長時間化している実態がうかがえます。
厚生労働省「令和2年 医師の勤務実態について」
医師の働き方改革によって、宿直回数は週1回までの制限が設けられました。実際に負担軽減につながっているかどうか今後の検証が待たれます。
しかし、仮に宿直業務の負担は減らせても、専門研修や学会準備など他の業務は、患者へのより良い治療やスキルアップのためには欠かせません。
診療科や常勤先の医療機関によっても、専攻医の忙しさのレベルは異なっており、根本的な解決策を見出すのは難しいとみられます。
2.働き方改革による専攻医への影響
2024年4月に「医師の働き方改革」が施行されました。
業務の特性上、残業や当直など「時間外」に働くことが多い職業である医師に対して、労務管理の徹底と労働時間の短縮により健康を確保し、医療の質を向上させることが目的とされています。
では、労働時間の短縮のために、「医師の働き方改革」ではどのような施策が行われているのでしょうか。そして、専攻医にはどのような影響があるのでしょうか。
医師の働き方改革についての詳しい記事はこちら
【2024年開始】医師の働き方改革とは?ポイントをわかりやすく解説!時間外労働の上限規制とC-1水準
「医師の働き方改革」のポイントは、時間外労働に上限規制が設けられることです。
この規制では、原則すべての勤務医の時間外労働を「月100時間未満/年960時間以下」(=A水準)とするよう定めています。
しかし、すべての医師にこの上限規制を適用した場合、地域医療や夜間医療体制の維持が難しくなってしまう、また研修医や専攻医の技能習得の機会が失われてしまう可能性があります。厚生労働省は、医師の特性や医療機関が担う機能などの条件に応じて「月100時間未満/年1,860時間以下」の時間外労働が認められる「特例水準」を設けました。
特例水準のなかで、専攻医は「C-1水準」に属します。
※特例水準=「A水準」以外の「連携B水準」、「B水準」、「C-1水準」、「C-2水準」を指す。
| 水準 | 適用される条件 | 上限時間 | 面接指導 | 勤務間 インターバルの 確保 |
|---|---|---|---|---|
| A水準 | 全ての施設で原則適用 | 月100時間未満 年960時間 |
義務 | 努力義務 |
| 連携B水準 | 地域医療確保の為に 医師派遣を行う病院 |
月100時間未満 年1,860時間 (各院960時間) |
義務 | 義務 |
| B水準 | 救急医療や高度な癌治療など 自院内で長時間労働が必要な病院 |
月100時間未満 年960時間 |
義務 | 義務 |
| C-1水準 | 臨床研修医、専門研修医の 雇用施設 |
月100時間未満 年960時間 |
義務 | 義務 |
| C-2水準 | 特定高度技能研修者の 雇用施設 |
月100時間未満 年960時間 |
義務 | 義務 |
※月100時間未満の上限もあります(面接指導の実装による例外有)
厚生労働省「医師の働き方改革解説スライド(基礎編)」より
時間外労働が月100時間を超えた医師は面接指導の対象となり、健康状態を対面で確認する必要があります。
また、連続して一定時間以上勤務した場合、所定の休息時間の確保が義務付けられます(勤務間インターバルの確保)。
時間外労働の上限規制についての詳しい記事はこちら
「医師の働き方改革」でどう変わる?時間外労働の上限規制に注意!どこからが労働時間なのか?
長時間労働を是正していくには、まず労働時間の定義を理解しなければなりません。
ここまで触れてきたように、医師の業務は診療だけにとどまりません。症例を検討するカンファレンスへの参加や学会発表の準備、症例について予習と復習をする業務など、多岐にわたります。
厚生労働省のガイドラインでは、労働時間について「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定義しています。取り組んでいる業務が医療機関や上司の指示にもとづいているかどうかで、業務中の時間が労働時間にあたるかどうかが決まるということです。
具体的な例を挙げると、医療機関や上司から参加するよう指示されている会議やカンファレンスに出席している時間は労働時間とみなされます。
これに対して、学会への参加・発表や論文投稿を自主的に行うなどのケースはいわゆる自己研鑽にあたり、その時間は労働時間とは分けて考えられることが多いです。
ただし、もし学会発表などをしないとなんらかのペナルティが与えられるなど、医師にとって不利益となる規定がある場合は、労働時間に含まれることになります。たとえ同じ内容の業務であっても、医療機関や上司に強制されているかどうかで判断される点がポイントです。
| 労働時間に含まれる/含まれない | 含まれる/含まれない条件 |
|---|---|
| 含まれる |
|
| 含まれない |
|
3.上限時間を超えないためには
上限時間を超えないよう気を付けていても、計算ミスなどにより超えてしまう可能性が考えられます。そのような事態にならないためにも、日頃からしっかりと確認しておくことが大切です。
医師バイトドットコムでは、先生がご自身の労働時間を確認することができるシミュレーションツールをご用意しております。「労働時間が把握できているか不安がある…」という先生は、ぜひツールを使ってみてはいかがでしょうか。
逆に、時間が余っていて「もう少し働きたい」とお考えの場合は、宿日直許可を取得している医療機関での当直アルバイトがおすすめです。
労働時間にカウントされない宿日直許可とは?
宿日直許可とはどのような制度なのでしょうか?
宿日直許可を取得した医療機関で宿日直業務にあたる場合、時間外労働の上限規制の適用除外となります。そのため、労働時間としてカウントされないことになり、宿日直業務の時間を勤務間インターバルの休息時間として取り扱えるようになります。
宿日直許可を取得した医療機関の求人は、上限規制を考慮せずにアルバイトできるため、現在需要が高まっています。
宿日直許可アルバイトで働いたときの勤務イメージ
宿日直許可を取得していない医療機関で勤務した場合、連続勤務時間の上限である28時間働くと、そこから次の業務を始めるまでに18時間のインターバルを取る必要があります。
一方で、宿日直許可を取得している医療機関で働く場合は、許可基準を超える診療業務が発生しない限り、宿日直業務中の時間は労働時間にカウントされず、休憩とみなされます。翌日そのまま日勤を開始しても連続勤務の上限に抵触せず、長時間の勤務間インターバルを取る必要がなくなるのです。
アルバイトを始めるときの注意点
常勤先の医療機関がアルバイトを許可しているか確認
専攻医は研修医と違ってアルバイトを制限されていませんが、常勤先の医療機関がアルバイトを禁止している場合もあります。就業規則をよく確認し、もしアルバイトを始めるときは常勤先に必ず報告しましょう。
契約条件や勤務内容を確認する
自身の生活スタイルに合った内容なのか、細かくチェックしておくことをおすすめします。例えば救急対応の有無や病床数などから、業務の忙しさや勤務時間が長くなりそうかなどを推測することができます。また、あくまでもアルバイトは副業です。常勤先での業務に支障がなく、適度な休息が取れるスケジュールで働きましょう。
医師賠償責任保険の加入を検討
アルバイトの立場でも、医療事故などトラブルになった場合、訴えられる可能性があります。医療訴訟の賠償金は高額になるケースも多いですが、もし支払いを命じられたとしても、医師賠償責任保険に加入していれば補償を受けられます。万が一の時に備えて検討しておくことをおすすめします。
確定申告の提出
20万円を超える副業収入を得た場合、確定申告が必要となります。医師向けの求人アルバイトは単価が高額に設定されているため、対象者となりやすいです。申告が遅れると追徴金が発生するので、あらかじめ確定申告の提出を想定し、必要書類などを整理しておいたほうがいいでしょう。
4.専攻医におすすめのアルバイト
最後に、自分に合った求人の選び方のポイントについて、医師バイトドットコムで紹介できる求人を例に解説していきます。
上限時間超えを防げる「宿日直許可あり」アルバイト
「宿日直許可あり」アルバイトの特徴は以下の通りです。
- 比較的負担が軽い業務でゆったりと勤務できる
- 原則、通常業務を継続することは許可されていない
- 宿直時に医師が使える睡眠設備がある
- 基本的に救急車やウォークイン患者の対応はない
「宿日直許可あり」アルバイトは、上限規制の範囲内で働きたい人に適しています。
医師バイトドットコムでは以下のような求人をご紹介しています。
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首都圏での高額日当直
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- 東京都 練馬区
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- 内科・外科・救命救急
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- 救急
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- 17:30~翌々日7:30
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- 1回 170,000円
高額給与・インセンティブあり
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時間調整可能な柔軟バイト
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- 広島県 広島市
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- 内科・精神科
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- 病棟管理
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- 17:00~翌日8:30
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- 1回 35,000円
入り明けともに相談可
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※あくまで一例です。上記の求人が現在も掲載されているとは限りません。
「宿日直許可あり」の公開求人を
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上限時間までの残りを埋められるスポットアルバイト
スポットアルバイトは、臨時で特定の日付だけ限定して勤務する働き方を指します。例えば 「○月○日の当直」、「△月△日の健診」といった具合です。
スポットアルバイトは、上限時間までの残り時間を埋めるのに適しています。
医師バイトドットコムでは以下のような求人をご紹介しています。
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すき間時間に調整して働ける
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- 神奈川県 横浜市
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- 内科・外科(内科もしくは外科)
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- 病棟管理(ケアミックス) 救急
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- 13:00~16:00
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- 1回 30,000円
明け30分程度相談可(減額なし)
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地方での高額バイト
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- 新潟県 糸魚川市
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- 産婦人科
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- 病棟管理 分娩 救急
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- 12:00~翌17:00
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- 1回 17~19万円
新幹線代、ガソリン代、高速代支給可能
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※あくまで一例です。上記の求人が現在も掲載されているとは限りません。
好条件の求人を見つけたらすぐに応募しましょう。
短期間で稼げる高額アルバイト
高額アルバイトは、主に訪問診療の求人が多く、時給1万円以上、日給は平均10万円で募集していることが多いです。
高額アルバイトは、労働時間の短縮によって減少した収入を補うのに適しています。医師バイトドットコムでは以下のような求人をご紹介しています。
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ゆったり勤務で高額バイト
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- 神奈川県 厚木市
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- 内科
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- 病棟管理
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- 8:30~翌々日8:30
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- 1回 260,000円
第3,5週の隔週勤務
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月1回も可能なので調整しやすい
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- 静岡県 富士宮市
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- 内科・外科・その他
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- 病棟管理
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- 12:30~翌々日8:00
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- 1回 245,000円
看取り可能な医師希望
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※あくまで一例です。上記の求人が現在も掲載されているとは限りません。
高額アルバイトは募集が少なく、需要も高いため、自分に合った内容であれば積極的に応募しましょう。
5.自分に合った働き方を見つけよう
ここまで、「働き方改革」による専攻医への影響と、対策となるアルバイトについて解説しました。
専攻医の年収は、2024年からの「医師の働き方改革」の導入をきっかけに、場合によっては減少する可能性があります。
ですが、効率の良い働き方を実現すれば、ワークライフバランスを整えつつ、目標の収入を維持することができます。
「医師の働き方改革」の制度がどれだけ浸透しているかは、医療機関によってさまざまです。これから状況が変わっていくこともあるでしょう。自分に合った働き方を見つけるために、医療機関の状況をしっかり把握しつつアルバイト先を選ぶことが大切です。
- 宿日直許可を受けている医療機関では、宿日直に携わる時間は規制の対象となる労働時間に含まれない。
- 医療機関ごとに想定される上限時間を確認し、適用される水準の範囲内で自分に合った働き方を見つける。
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マイページログイン<参考文献>
- 厚生労働省「医師の働き方改革解説スライド(基礎編)」より(https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/commentary_slide)
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ライター 医師マーケティング部
編集担当 - 医師のアルバイト探し応援コンテンツを提供する「医師バイトドットコム」の編集担当です。医師アルバイトの求職支援サービスを提供する株式会社メディウェルが運営しています。
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