医師の定期非常勤、スポットとはどういった勤務なのかご説明します。

「年収アップのため」、「経験を積むため」などさまざまな理由により、非常勤で勤務したいとお考えの先生は多いかと思います。 しかし一概に「非常勤勤務」といっても、「定期非常勤」と「スポット」の2種類の働き方があることをご存知でしょうか。 この2つは似て非なるものであり、はじめて非常勤求人をお探しの先生にとっては違いがわかりづらいかと思います。

そこで、ここでは意外と知られていない「定期非常勤とスポットの違い」についてお伝えします。

上記で述べました通り、医師の非常勤には定期非常勤とスポットという、2パターンの勤務の仕方があります。

定期非常勤とは、継続的に一定期間、定期的に働く事を指します。「毎週火曜日の午前診」や「隔週での月曜当直」などがそれに該当します。 「定期アルバイト」など「定期」のつく場合は全て定期非常勤のことを指し、他には「固定勤務」などと呼ばれることもあります。 また、単に「非常勤」という時には定期非常勤を指すことが多いです。

スポットとはこれに対して、臨時で特定の日付だけ限定して勤務する働き方を指します。 「○月○日の当直」、「△月△日の健診」などが該当します。スポットの他には「単発アルバイト」など「単発」と表現されることがあり、 「代診」も実質的にはスポット勤務である場合がほとんどです。 また、スポット勤務を「派遣」と表現する方もいらっしゃいますが、医師の派遣は法律で禁止されており※1、実際は「職業紹介」に分類されます。

「なんだ、これだけの違いか」と思うかもしれませんが、定期非常勤とスポットの違い、 特にそれぞれのメリットとデメリットを理解することは、 先生にとっての上手なアルバイトの組み合わせを見つけるための近道となります。

※1 　労働者派遣法第四条第一項第三号、および同法施行令第二条第一項第一号に記載。

それでは、定期非常勤・スポット勤務それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

特徴	定期 非常勤	スポ ット	備考
勤務一回あたりの 単価	○	◎	基本的には常勤と同等以上の給与相場になる。 定期非常勤・スポットによる単価の違いは原則としてなし。 スポットの急募求人の場合は、通常より好条件となることがある。
安定的な収入	◎	△	定期非常勤は固定枠での勤務となるため、安定収入を望める。 スポットは希望する日程の求人が埋まってしまっている場合もあり、 結果的に勤務日数が少なくなる可能性がある。
勤務の手軽さ	△	◎	定期非常勤では継続的な勤務となるため、勤務前に面接を 実施することが多い。 スポットは希望すれば最短当日にそのまま勤務が可能（面接も不要）。
スケジュール 調整の手間	○	△	定期非常勤の場合は一度勤務を始めてからのスケジュール調整は 原則として必要ない。 スポットは毎回、スケジュール調整の手間が必要になる。
勤務の入り時間 上がり時間の相談	○	○	定期非常勤・スポットに関わらず、勤務の入り時間 上がり時間を調整するための相談は可能。

以上の特徴をまとめると、「安定して継続的に収入を得る」のに向いているのは定期非常勤で、「空いた時間で効率よく収入を得たい」場合はスポットが向いています。 もちろん、これはどちらかを選べば済む話ではありません。先生のご希望とされる働き方に応じて、 「安定収入分」を定期非常勤で確保し、「臨時収入分」をスポット勤務で得るといった、上手な組み合わせ方を見つけていくことが重要です。 「普段は定期非常勤のみにしているが、学会出張の時だけ出張先で当直のスポット勤務を入れる」など、組み合わせ方は先生によって千差万別です。

上手な非常勤勤務で先生の限られた時間を有効活用して、常勤先では得がたい経験と収入をぜひ実現なさってください。

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