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医師として働くのがつらくなったときの対処法と利用できる制度【荒木弁護士解説】

医師として働くのがつらくなったときの対処法と利用できる制度【荒木弁護士解説】

他の職種とは一線を画する長時間労働やハラスメントにより医師として働くことがつらくなったことがある方は多いと思います。

私が、X(旧Twitter)で行ったアンケートでも回答者のうち95%以上の方が医師として働くのがつらいと思ったことがあると回答しています。

医師として働くのがつらいと感じるときには、どのように対処するかということが重要になります。

今、つらい状況にある方はもとより、今は困っていない状況の方も事前に対処法を知っておくことで、自分自身や周りのドクターがつらい状況に陥ったときなど将来役立つことがあると思いますので是非参考にしてください。

1.医師として働くことがつらくなる原因

医師として働くのがつらいと思ったことがある原因として、選択肢として記載していた3つの割合は、以下のとおりでした。(複数回答可能)

1位:長時間労働…75.5%
2位:職場の人間関係…51.9%
3位:ハラスメント…43.4%

長時間労働により職場の滞在時間が長いことに加えて、職場の人間関係が悪かったり、ハラスメントを受けていたりすると、その精神的負荷も増大すると思います。

また、個別に頂いた回答もご紹介します。

"医師としての仕事のプレッシャー(インシデント)"
"当然のように休日出勤を求められるところ"
"時間外呼び出しの多さ"

オンコールは、仮に家にいても、時間問わずいつ呼び出されるか分からず、オンオフがはっきりしない点で精神的にも負担だと思います。また、一人常勤医や主治医制の場合は、事実上、毎日オンコール状態という場合もあると思います。

"医局人事による異動"

医局人事による異動により、人間関係や病院のシステムなど、新しい病院に慣れるまでの負担は少なくないと思います。また、医局人事により転居を余儀なくされる場合は、引っ越しや新しい居住地に慣れるまでの負担もあると思いますし、家族が帯同する場合は家族にも負担がかかります。家庭の事情から単身赴任される方もいると思います。

更に、企業における転勤と異なり、医局人事により所属する医療機関が変わると、勤続年数により付与される有給休暇がリセットされることや勤続年数が考慮される退職金が付与されない、低額になるなどの不利益や引越費用の負担などの支出もあると思います。

"大学病院なので低賃金だが、やってることが高度かつ高い技術をもつDr.がいないのでやめられない。辞めるには患者を放置するのか?という有形無形の批判があるのでやめられない。"

医師としての使命感から患者のことを考えて辞められず限界まで働いてしまうドクターも少なくないと思います。

"大学病院で院生をやっていますがバイト以外は週4勤務で働いているのにも関わらず大学のルールで週15時間勤務にさせられ、外来や患者、病棟のクレーム対応をさせられ上に掛け合ってもそういうものだからと言われ心が折れてしまいました"

2020年頃に無給医問題がメディアで取り上げられ、各大学で調査が実施されましたが、その後は、ほとんど取り上げられることも無くなってしまいました。

しかしながら、常勤医師と同様の負担を求められながら、非常勤勤務の扱いでは、更にアルバイトにより収入を得る必要がありますし、大学院生として研究に割く時間が益々少なくなるのではないかと感じます。

2.医師として働くのがつらくなったときの対処法

ここからは、実際にアンケートで寄せられた、働くのがつらくなったときの対処法を紹介します。

(1)休みを取得

休みを取得したという回答を多くいただきました。有給休暇が何十日も残っている勤務医のドクターの方は多いと思います。限界を迎える前に有給休暇を取得して休んで疲労を回復させることは有効だと思います。

"リフレッシュ休暇で10日間まったく病院に行かないでいい期間が年1回取れるので、そこで発散してます。あとは医局同期どうしで支え合ってなんとか乗り切りました。"(産婦人科、市中病院(医局人事)、6年目~10年目)
"上の意見を無視して有給をしっかり取った。"(整形外科、大学病院、6年目~11年目)
"現実逃避して締切のある仕事を無視した。"(麻酔科、大学病院、11年目~19年目)

(2)上司や家族・知人へ相談

上司や家族・知人へ相談するという回答も複数いただきました。

上司へ相談して適切な対応がされた場合には、業務量などの負担の原因を取り除くことができます。また、家族や友人などに話を聞いて貰うだけでも気持ちが整理できる場合もあると思います。

"精神科受診と上司に相談をして業務を外してもらった。しかし職場の業務内容自体は変わっていないので解決策にはなっておらず、現在は窓際族状態でつらいです。"(脳神経内科、大学病院、6年目~10年目)

(3)転職

そして、最終的な対処法として多かったのが転職するという選択肢でした。

上司やハラスメントの相談窓口に申告しても対処されない場合、自身を守るために転職するということも選択肢です。

"教授に直談判しましたが何も変わらず、現在転職活動中です。"(産婦人科(産科)、大学病院、6年目~10年目)
"転職活動を開始し、それをあまり隠さず、周りの職種にも転職を勧めている。"(精神・神経科、市中病院(医局人事以外)、20年目以降)
"転職活動をして、新たな勤務先が決まったら少し気が楽になりました。"(脳神経内科、市中病院(医局人事)、11年目~19年目)
"船医になった、しばらく何もせず休んだ、異業種の友人と遊んだ"(内科、市中病院(医局人事を除く)、11年目~19年目)
"上司にハラスメントの事実を話しても何の対処もされなかったので、その病院を去ることにしました。幸い、内科後期研修医だったのでJ-OSLERの派遣制度の名目ができ、キャリアの傷もなく結果的には良い選択でした。

その後、大学病院の医局でより深刻なアカハラがありましたが、どうにか学位取得まで耐え切って脱医局しました。"(腎臓内科、大学病院、6年目~10年目)

3.長時間労働やハラスメントにより医師として働くのがつらくなっている若手医師に対するアドバイス

長時間労働やハラスメントなど過酷な職場環境の中で、高度な専門的知識や技術が要求される医師の仕事を続けていくと、働くのがつらくなるのは至極当然のことです。

限界まで頑張ってしまい、新しい職場を探す気力を失ってしまう前に、まずは、自身の話を信頼できる人に聞いてもらうだけでも、自分の状況が整理できて客観視できると思います。

そして、若手医師に対するアドバイスをたくさんいただきましたので、その一部をご紹介します。是非、参考にしてください。

"病院の外の人に話を聞いてもらいましょう。まずは親・兄弟が良いと思います。できればあなたのことを否定しない人がいいですね。そしてしっかり寝ることです。それで元気を少しチャージできたら、勉強やトレーニング、学会の準備ような、ますべきことと、将来的にいまの病院にいるのか、やめるのであればどうするかなど、これからのことの二つを整理してみましょう。

考える力が向いてくる方のことを考えましょう。一人で考えがまとまらなければ、少しだけ上の先輩に話を聞いてみましょう。そうして人とお話ししていると、時間は過ぎていきます。

嫌なことも辛いことも、時間が経つと解決することもあるものです。本当です。それと同じであなたも一日が過ぎたら、きっと明日の方が気持ちも楽になっているはずです。だからそうやって、辛いときは自分のために使う時間を増やして、自分を大事にしてあげてください。"(消化器内科、クリニック、11年目~19年目)
"医者の場合に限ると思いますが、辛い状況=それだけ高度にスキルが要求される職場であることは間違いないと思いますので辞めたとしても皆さんの技量なら働ける場所はいっぱいあると思います。大事なのは完全に潰れて新天地を探す気力まで失わないようにすることかなと思います。いざとなったら他の病院で働くという気概で、限界を迎える手前で、自分にブレーキをかけてあげるようにすることが肝要かなと思います。"(脳神経外科、大学病院、6年目~10年目)
"働く場所 働く仲間 そしてキャリア形成の手段は格段に多様化しておりますので お休みすること 環境を変えることも視野にいれながら 健康に生活されますことを祈っております。

今現在 後ろ向きと思われる解決法であっても 時がたって俯瞰すると非常に前向きな決断であったと感じられることもあると思います。

選択肢が広い資格であることを今一度確認して進んでいただければと思います。"(麻酔科、市中病院(医局人事)、20年目以降)

4.医師として働くことがつらくなったときに利用できる制度

最後に、仕事を休むと収入面での不安もあると思います。仕事をお休みするときに利用できる制度について簡単にご紹介したいと思います。

(1)短期間の休みが必要なとき

多くの勤務医のドクターは、年次有給休暇が残っていると思いますので、まずは、有給休暇の利用を検討してください。

もちろん、有給休暇を取得して勤務を休んでも勤務した分の給与は支払われます。有給休暇の制度の詳しい解説は、~有給取得は計画的に~勤務医の有給休暇に関するルールとQ&A【荒木弁護士解説】を参照ください。

(2)長期間の休みが必要なとき

私傷病による休職制度を設けている医療機関も少なくありません。就業規則を確認したり、上司や事務方に確認しましょう。

休職期間中は、まとまった期間仕事を休んで心身の回復に専念することができます。

休職期間の収入面での不安については、病気やけがのために勤務先から十分な報酬が受けられない場合に、おおむね月給の3分の2の傷病手当金の支給が受けられます。傷病手当金の支給要件や金額等の詳細は、加入している健康保険組合にご確認ください。

また、心身の不調が業務に起因する場合は、いわゆる労災補償の対象になります。治療費、休業補償(給与の8割)などの補償が国から受けられます。労災の申請については、事務方へ確認したり、勤務先の協力が得られないときは、管轄の労働基準監督署にご相談ください。

5.最後に

医師として働くうえで、仕事がつらいと感じたり、心身に不調を来すことは、決して珍しいことではありません。大事なのは、そのときの対処法です。

家族や信頼できる友人に相談したり、休んだり、転職して環境を変えたり、選択肢は複数あります。収入面の不安についても利用できる制度があります。

大事なのは、自暴自棄になってしまったり、限界まで自分自身を追いつめてしまわないことです。また、本人では気づきにくいこともあります。ぜひ、周りも気づいて本人が適切なサポートを受けられるように対処してほしいと思います。

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